日中関係 2018 10 27
アメリカの中国に対する姿勢と、
日本の中国に対する姿勢は異なるものがあります。
アメリカの場合は、対立や封じ込めでも問題ありませんが、
日本の場合は、そういうことは難しいのです。
人口13億人の隣国で、
政治的混乱や経済的混乱があった場合は、
日本は、大きな影響を受けます。
(日本と中国は、地理的に近すぎるのです)
さて、よく言われるのは、
中国は、米中関係が厳しくなると日本に接近して、
米中関係が良好になると日本から離れるという法則があると言われています。
今回も、この法則の通り、中国は動いていると思われますが、
5年前だったでしょうか、私は、こう書いています。
「今は、日中関係が険悪だが、
中国が反日から親日になる日が来るかもしれない。
習近平政権が権力を確立すれば、
国内の反日グループを気にする必要はなくなる。
中国としては、
日本の資金と技術が必要である」
習近平政権が「反腐敗」という権力闘争で、
権力を確立したのか、
それとも、単に法則通り動いているのかわかりませんが、
中国企業の日本進出は、大きなものとなるでしょう。
今まで、中国企業は、アメリカを目指していましたが、
トランプ政権によって、門が閉じられましたので、
今度は、日本に進出することになるでしょう。
ところで、「甲羅 2017 10 28」を読めばわかるように、
中国共産党による「中国改革」は難しいかもしれません。
中国の経済界による「中国改革」のほうが現実的かもしれません。
甲羅 2017 10 28
中国共産党を見ていると、
重くて窮屈そうな甲羅(共産党の伝統思考)を着た亀に見えてくる。
「そんな甲羅は脱いだ方が快適だから脱いじゃいなよ」と何度も勧めるが、
亀は、首を横に振って、こう答える。
「僕は、これを脱いだら亀じゃなくなっちゃうんだ」と。
(引用 津上俊哉氏の著書 「米中経済戦争」の内実を読み解く)
中国の最高指導部の人事が終わって、
多くのマスコミは、
「習近平氏の一強体制が強まった」と書いていますが、
実態は違うかもしれません。
急激な社会の変化を受けて、
中国共産党そのものが時代に適合しなくなったが、
崩壊を避けるために、
習近平氏の権威を高めて党の危機を乗り切るという趣旨かもしれません。
中国の驚異的な「経済発展」を考えれば、
さすがに、「中国共産党」という名称は古いでしょう。
とりあえず、党名の変更が生き延びる秘訣です。
この20年間で、世界で最も「資本主義」を発展させたのは、中国でした。